バセドウ病について、名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、人によって症状の出方が様々と言われ、私の場合も曖昧なものでした。ここでは初期症状や診断に至る経緯についてまとめたいと思います。受診を迷われている方や受診の時の伝え方など参考になれば幸いです。
目次:
- バセドウ病とは
- 私の場合の初期症状
- 診断に至るまでの診察、検査
- 診断後の説明、経過
1.バセドウ病とは
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に増える甲状腺機能亢進症の一つです。
新陳代謝を高める甲状腺ホルモンが増えすぎることで動機や息切れ、疲労、食欲の増進、体重減少、イライラ・落ち着きがないといった精神症状等が現れます。
首の腫れ、眼球突出、頻脈がバセドウ病に特有の3大症状と言われています。
2.私の場合の初期症状
今年の5月頃から疲れやすい、息切れする、食欲増進・体重減少、生理不順といった症状がありました。具体的には次のようなものでした。
・疲れやすい、息切れ:例えば宅配の荷物を玄関に取りに行きもどってくるだけで息切れしていました。なぜこれぐらいで息切れするのか不思議だったものの運動不足なのかと思っていました。
・食欲増進・体重減少:食べても食べてもお腹がすくため、ご飯の後や間食にパンを2、3個食べたりしていました。それほど食べていたにも関わらず、体重が半年前の健康診断から2~3キロ落ちていました。
・生理不順:仕事で余程ストレスがたまらない限り、生理が遅れることは今まであまりなかったのですが、2か月続けて1か月ほど遅れていました。
バセドウ病に特有とされる首の腫れと眼球突出の症状は全くありませんでした。脈は意識して測ると90~100回/分で、微妙な数値でした(通常は70~90回/分)。体重減少も生理不順も異常に変わったという程ではなかったので、受診するか迷いました。
1度生理が遅れたときに不正出血もあったので産婦人科に行きましたが、異常なしでした。糖尿病の家系でもあるため、念のために内科を受診することにしました。
3.診断に至るまでの診察・検査
①初診
かかりつけの内科に食事を取っているが体重減少があること、生理不順であることを伝えました。一度、心因性の食道炎で通院していたことから、今回も精神的なものかもしれないと言われ、一般的な血液検査を行いました。
②再診1
精神面に対する日常生活の聞き取りの他、心電図検査、腹部エコーを行い異常なしでした。血液検査の結果で中性脂肪、LDLコレステロールが低かった事から、ここで甲状腺ホルモンを調べるため、もう一度血液検査を行いました。
*甲状腺ホルモンの新陳代謝を高める作用によって、中性脂肪が多く消費されたり、LDLコレステロールが過剰に分解されたりするため数値が低く出るそうです。
③再診2
T4という甲状腺ホルモンの上昇と甲状腺刺激ホルモンTSHの低下があり、ここでバセドウ病の診断がつきました。
*甲状腺ホルモンは一般の血液検査の項目に含まれていません。初診の時に甲状腺ホルモンの検査をしたいと伝えていたらもっとスムーズだったと思います。
4.診断後の説明、経過
・診断後の説明
診断を受けてからはメルカゾールという薬を処方され、効果と薬の副作用である白血球の急激な減少がないかを調べるため2週間に1回通院することになりました。採血をし、2週間後に検査結果を見て薬の処方という流れです。
私の場合は、症状が軽いためか運動制限は言われませんでした。治療は長くかかること*、白血球が減少するため感染予防に気を付けること、妊娠を希望する場合には薬を変更することができるという説明を受けました。
薬だけは2日異常の飲み忘れがないようにと注意を受けました。
*バセドウ病は完治する事はなく、症状が落ち着いて治療が終わっても再発する可能性が高いそうです。バセドウ病がある知人は10年以上服薬を続けています。
・経過と日常生活
特に運動制限を指摘されなかったことから、軽いハイキングなどに参加していましたが、その時は息切れがと疲れがひどかったです。症状が軽度で特別に指導がなくても、運動は避けた方が良いと思います。
診断を受けて薬を飲み始めてから1か月程経った頃には、T4の数値も基準値になり、息切れや動悸、体重減少なども落ち着きました。日常生活では通院と服薬以外では発症前と変わりなく過ごしています。
診断を受けた際は、知り合いにバセドウ病を持つ人がいるためそれほどショックは受けませんでした。しかし、採血がある日は医療費が4000円ほどかかる事もあり、通院はなかなか負担に感じました。
まとめ
・疲労、息切れ、意図しない体重減少、生理不順などが重なる場合は首の腫れがなくてもバセドウ病の可能性がある
・受診の際は症状と甲状腺ホルモン/バセドウ病の検査をしたいと伝えるとスムーズ
・軽度で運動制限を言われていなくても避けた方が無難
・長く治療が必要だが、症状は薬でコントロールが可能